チャートを実例とともに学ぶなら
こんにちは、kabuemonです。
チャートを勉強したいけど専門の本は読みにくい、といった初心者向けのチャートトレーニング本をご紹介します。
「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ
世界一楽しい「一問一答」株の教科書」
楽天ブックス日別ランキング(2022年1月13日現在)の投資・株・資産運用部門で3位を獲得しています。
世界一楽しいかどうかは読者によりますが、一問一答形式で図とコンパクトな解説、実例で各チャートを学べることからわかりやすかったです。
プロがどういった目線でチャートを読み解いているかもよくわかります。
初心者の方も厳選された60題をベースに考えながら読み進めていくことで、実際のトレードでもチャートを使った投資ができるのではないでしょうか。
早速、本書をご紹介していきます。
「株トレ」の概要
発売日 :2021年12月16日
著者 :窪田真之
出版社 :ダイヤモンド社
ページ数:184p
<コンテンツ>
はじめに クイズを解くだけで、株のトレード技術が身につく
第1章 売買高の変化を読む
第2章 移動平均線を読む
第3章 ローソク足を読む
第4章 チャートの節を読む
第5章 ボリンジャーバンドを読む
第6章 トレンドかボックスか見分ける
おわりに 小型成長株のチャートに注目
<著者プロフィール>
窪田真之(クボタマサユキ)
楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト。1984年慶應義塾大学経済学部卒業、大和住銀投信投資顧問などを経て、2014年より楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト。2015年より所長兼務。日本株ファンドマネジャー歴25年。年間100社を超える調査取材をこなし、公的年金・投資信託・NY上場ファンドなど20代で1000億円以上、40代で2000億円超の日本株運用を担当。ベンチマークである東証株価指数(TOPIX)を大幅に上回る運用実績をあげてきた。
著者は金融業界の一線で活躍されてきた方です。
ファンドマネージャー時代に何万回ものトレードを通じて身につけられた「トレードで勝つ技術」が、本書に凝縮されています。
ここからは、kabuemonが本書を読んで心に残ったポイントをご紹介します。
①株価のボラティリティ変化にはボリンジャーバンド
著者がファンドマネージャー時代に最も信頼していたテクニカルチャートの一つ。
ボリンジャーバンドとは移動平均線と標準偏差から計算される2本の線のことです。
株価チャートに移動平均線だけでなく、2本のボリンジャーバンドを加えると、株価のボラティリティ変化を見るのにとても便利なので、試してみましょう。
■ボラティリティ拡大の初動に乗る著者が、最も信頼する売買シグナル
買いシグナル:バンド幅が狭いところで株価が急上昇、バンドまで上昇したところで「買い」
売りシグナル:バンド幅が狭いところで株価が急落、バンドまで下落したところで「売り」
■ボラティリティが高すぎる時の逆バリ
買いシグナル:バンド幅が広くなったところで株価がさらに急落、バンドが外へ出たら「買い」
売りシグナル:バンド幅が広くなったところでさらに株価が急騰、バンド外へ出たら「売り」
②成長株の3条件を抑えよう
著者がファンドマネージャー時代、小型成長株を見つけるためにチェックしていた3つの条件があります。
次の3つの「高い」が満たされれば成長株として合格と判断します。
<成長株の3条件>
- 市場成長性:高い
- 市場シェア:高い
- 参入障壁:高い
①、②を満たす企業は多く見つけられそうです。
③の判断方法はかなり難しく、銘柄としても少なそうです。
日々の企業分析を通じて、少しずつ身につけていきたいところです。
③ トレーディングで稼ぎやすいのはトレンド相場
トレンド相場とは、上昇トレンドまたは下降トレンドが続く相場のことを言います。
トレンド相場で勝つ鉄則は、「トレンドに乗る」「損切りは早く、益出しは遅く」です。
これを実践するために、トレンド系シグナルを使ってみましょう。
13週移動平均線が上向きだから買い、などトレンド相場ではトレンド系シグナルがよく当たるようです。
投資初心者が明日からできる3つのポイント
本書を通じて、投資初心者の方が明日からでも取り組める内容を3つご紹介します。
①売買高は人気のバロメーター
株価チャートを見るとき、株価を見るだけでなく、いっしょに売買高の変化を見る習慣をつけましょう。
株価と売買高を合わせてみることで、その銘柄が今後どのような傾向をとりそうか、という予測がイメージできるようになります。
もちろんこれだけで勝てるようにはなりませんが、一つの要素として押さえておきましょう。
売買高が多い=人気が高い
売買高が少ない=人気が低い
売買高が増加=人気が高まりつつある
売買高が減少=人気が低下しつつある
②買値にこだわらない
個人投資家・初心者が株式投資で勝つために最初に守らなければならないことは、「買値にこだわらない」こと、と著者は述べています。
売るべきものを売り、買うべきものを買わないと、良い投資ができません。
多くの個人投資家が陥りやすい過ちは、上昇した銘柄を売り、下落した銘柄を持ち続ける事です。
上昇した銘柄を売るのは気持ちがよく、下落した銘柄を売るのは辛いので、ついついそういう選択となります。
ただそうすると結果的に、良い銘柄を売り、悪い銘柄を残すことになります。
これを続ければ、いい銘柄が減り、悪い銘柄が溜まってことになるので注意しましょう。
③新規公開株(IPO)は上場から半年〜1年後が狙い目
上場後の株価は、高い成長期待から割高につくことが多いです。
著者は、初値をつけた後、しばらく株価が下がる・株価が落ち着いてくる半年から1年後が、投資の好機と判断しているようです。
まずは、過去1年に上場した銘柄をチェックして確認してみると良いでしょう。
読み終えた感想
チャート図を見て問題を解く、そして解答・解説を見る、という流れだったので、まさに参考書のような書籍でした。
受験経験のある私にとっては、とっつきやすく、間違えた問題の解答が腑に落ちたので頭に残りやすかったです。
ただ一定のチャートの知識がベースにないと理解度は低くなってしまうと思うので、一度チャートの内容を頭に入れてから読むことをおススメします。
チャートから読み解く投資技術、そしてセンスを習得したい方はお手にとってみてください。