投資の基礎知識を身につける
こんにちは、kabuemonです。
投資の基礎知識が1冊にまとまった書籍をご紹介します。
「今さら聞けない投資の超基本 株・投資信託・1DeCo・NISAがわかる」
楽天ブックス日別ランキング(2022年1月21日現在)の投資・株・資産運用部門で14位を獲得しています。
なぜいま投資をするべきなのか、そもそも投資とはどんなもので、どのような種類があるのか、をイラストと解説で丁寧に解説しています。
この手の書籍はイラストが多く説明がざっくりとしているものが多いですが、文章での説明もしっかりされていて、投資の基礎知識を身につけたい人はこの1冊で全てを網羅できると思います。
それでは、本書をご紹介していきます。
「今さら聞けない投資の超基本」の概要
発売日 :2021年03月22日
著者 :泉美智子
出版社 :朝日新聞出版
ページ数:192p
<コンテンツ>
1 ライフプランと投資
2 投資の基礎知識
3 iDeCo・NISA
4 株式投資
5 債券投資
6 投資信託
7 FX・金・不動産
など
<著者プロフィール>
泉美智子(イズミミチコ)
株式会社六次元(子どもの環境・経済教育研究室代表)。京都大学経済研究所東京分室、公立鳥取環境大学経営学部准教授を経て現職。四国学院大学で非常勤講師を務める傍ら、全国各地で「女性のためのコーヒータイムの経済学」や「エシカル・キッズ・ラボ」「親子経済教室」など講演活動、テレビ、ラジオ出演も。環境、経済、絵本、児童書の著書多数。日本FP学会会員、日本児童文学者協会会員。
奥村彰太郎(オクムラショウタロウ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。キャリアコンサルタント、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。ビューティフルエージング協会認定ライフデザイン・アドバイザー。株式会社リクルートに入社、進学や住宅など情報誌の営業や企画・人事・総務などの管理職を務め、1995年マネー情報誌『あるじゃん』を創刊、発行人を務めたのち、2004年“キャリアとお金”のアドバイザーとして独立。企業研修の講師や個別相談などで活躍中。
本書内のイラストはkabuemon好みで、理解のサポートをしてくれました。
投資で◯◯万円稼げる、といったテクニックは一切掲載されていないので、基礎知識をつけたい方向けの書籍です。
投資・資産形成に役立つ3つのポイント
ここからは、kabuemonが本書を読んで押さえておきたいポイントをご紹介します。
①投資にかかる税を知っておこう
投資で忘れてならないのはコストがかかるということです。
手数料の他、売却益・分配益などの利益が出た場合は、20.315%の税金がかかります。
保有株や投資信託の値動きを見て「利益が出た」と思っても、手数料や税金を合わせると思ったほど利益が出ない場合もあります。
売却前によく確認しましょう。
また、当年の損を翌年の利益と相殺することもできます。
損失額が大きく、翌年だけではカバーしきれない場合、翌年以降3年まで繰り越すことができます。
なお、損益通算では特定口座の人でも確定申告が必要です。
繰り越す場合は、その年ごとに行う必要があるので忘れないようにしましょう。
②経営効率を測る数値を見ておこう
上場企業は、年に1回決算書を作成します。
決算書とは事業がうまくいっているかどうかを、数字の上で確認するための書類です。
投資家にとっては、会社が好調なのか不調なのかを見極める判断材料ともなるものです。
資産家資本に対しての利益率=経営効率の良さを測れる数値がROEやROAです。
せっかく投資するのであれば、お金を稼げる企業を選んだ方が自分の利益につながります。
決算書ではこれらもチェックしてみましょう。
- ROE=当期純利益÷自己資本×100
自己資本でどれだけ利益を生むか。 10%以上が良いとされ効率よく自己資本を使っていると言える。
- ROA=当期純利益÷総資産×100
総資産でどれだけ利益を生むか。5%以上が良いとされ、効率よく資産活用ができていると言える。
- PER=株価÷(当期純利益÷発行済株式数)
一株当たりの収益率を示す数値が PER です。例えば一株当たりで得られる利益が100円で、株価が1000円ならば PER は10倍となります。投資したお金を10年で回収できる計算です。つまり PER は低いほど良いということになります。一般的に日本の企業の平均 PER は15倍程度と言われており、それより高ければ割高、低ければ割安の株式と見ることができます。
③ 債券投資の仕組みを知っておこう
債権は、償還日まで保有することで決まった利息を受け取る事が出来る商品です。
正しい既発債を購入する場合、そのタイミングによって利回りが異なるので、よく確認する必要があります。
利率、利息、利回りの考え方をもう一度おさらいしておきましょう。
- 利率:年に何パーセントクーポンがつくか。元本に対する利息の割合。
- 利息:元本かける利率が利息。元本に追加して受け取れるお金。
- 利回り:投資した元本に対しての利益の割合。売却損益も含まれる。
債券の利回りには4種類ある
- 応募者利回り:新規発行の債券を償還まで所有した場合の利回り
- 最終利回り:既発債を召喚まで所有した場合の利回り
- 所有期間利回り:債券を購入して償還前に売却した場合の、保有期間中の利回り
- 直接利回り:購入金額に対しての毎年の利回り
債券の利率は格付けに左右される
債券のリスクは発行体の格付けによって決まります。高い格付けほど破綻リスクが少ないためクーポン率も低めに設定されます。
格付け:高い リスク:小さい クーポン利率:低い
格付け:低い リスク:大きい クーポン利率:高い
投資初心者が明日からできる3つのポイント
本書を通じて、投資初心者の方が明日からでも取り組める内容を3つご紹介します。
①情報に溺れない
できるだけ広く情報を集めることも重要ですが、自分が理解できることが大切です。
煽るようなキャッチコピーに飛びついて、売買を決めないようにしましょう。
情報を一つ一つ自分で読み解いて、社会全体から株式の動きを見る目を養っていきましょう。
情報収集が出来るツール
- 新聞・テレビのニュース
前日までの取引情報や相場の動きを大まかに見ることができる。経済・金融の専門新聞・ニュースがおすすめ。また一般の新聞やニュースは、社会のトレンドを知るのに良い。
- 雑誌・書籍
金融専門誌ではアナリストの意見など、投資方法について参考になる情報をキャッチできる。また年4回発行される会社四季報のデータは証券会社のページでもチェックできるが、本人まとめたものを持っておくのも全体を見るのに便利。
- 証券会社の情報ページ
口座を持っていれば、各銘柄の詳細な情報を無料で閲覧できる。株価の値動きもリアルタイムでチェックできるので、新しい情報を得たい場合に便利。
- 企業のホームページ
企業の事業内容や方針、新しい商品やサービスなどが分かる他、 IR 情報で業績がチェックできる。また、配当や株主優待などの情報も掲載。
- SNS やセミナー
名の知られている投資家の発信や 投資家セミナーなども参考にすると、投資家としての見る目や姿勢を学ぶことができる。
②長く付き合うなら興味のある会社を選ぶ
株式に投資するためには、会社の動きを知る必要があります。
自分自身の仕事以外の余暇の時間を使って調べるのですから、楽しみながら行いたいものです。
自分が楽しめる、生活に役立つ、お得な情報がわかる、など興味を持てる分野から選ぶのがおすすめです。
- 興味がある、身近で注目している会社
食品や生活必需品、薬、文具、ファッションなど、自分の生活の身近にある商品やサービス、興味のある分野の会社をホームページなどで調べる。
- 社会情勢から需要が高まりそうな産業、会社
コロナ禍で必要性が高まっている IT コミュニケーション、エスディージーズの時代だから環境系など、社会の情勢を見て、注目されている産業や会社にはどのようなものがあるかを調べる。
- 金融の専門家に注目されている会社
アナリストのおすすめや、経済情報誌で取り上げられている会社などを一通りチェックする。
- 銘柄スクリーニングサービスでピックアップされた会社
スクリーニングとは、たくさんある銘柄の中から、設定した条件に合うものをふるい分けることです。証券会社のサイトや、アプリなどでスクリーニングをしてみましょう。出てきた結果を鵜呑みにせず、どんな会社か、値動き、業績などについて自分で調べるのも重要です。
③ 金融商品を選ぶポイント
金融商品を選ぶ際の拠り所になるのが、「収益性」「流動性」「安全性」という金融商品ならではの三つの特質です。
どの特質を強く持っているかは、金融商品の種類によって違います。
守るお金なのか、増やすお金なのか、といった目的に合った商品を選んでいく必要があります。
- 収益性 商品目的:増やす(老後の資金、子孫に残す財産など) 主な商品:株式・債権・投資信託など
- 安全性 商品目的:守る(住宅購入資金、子供の教育費など) 主な商品:預貯金・債権・保険など
- 流動性 商品目的:備える(失業や怪我・病気など) 主な商品:現金・預貯金など
大事なお金を投資するので、安全で収益性の高い、少しでもメリットの大きい金融商品を選びたいものです。
とはいえ、三つ全てを備えた商品は残念ながらありません。
投資できるお金の額やライフスタイル、ライフプランとも相談しながら、それぞれバランスよく組み合わせていくのが良さそうです。
読み終えた感想
「超基本」と書いてあるだけあって、株式や債券、投資信託など名前だけでなく、仕組みや特徴、注意ポイントをしっかり紹介してくれていました。
個人的には、本書内で紹介されていた年齢経過に応じたライフイベントや必要資金のグラフが印象に残りました。
職業や性、年齢など様々な人のケースが掲載されているのですが、自分がどの人に一番近いかを見つけて資金形成を考えることで、投資へのモチベーションもあがるのではないでしょうか。